WZR-HP-AG300HのDD-WRT化
以下の情報は、電波法に触れるかもしれませんので、あくまでも実用ではなく技術的興味の実験として。
buffalo社の無線ルーターWZR-HP-AG300H ですが、DD-WRT化できます。
USではBaffaloが、Professional Firmware として、DD-WRT版のファームウェアを配布しています。
しかし、JP版のWZR-HP-AG300Hは、US版とリージョンが異なるため、このDD-WRT版のファームウェアを管理画面からアップロードしても蹴られてしまいます。
以下の手順を経ることによって、JP版WZR-HP-AG300Hのリージョンを書き換えて、US版用の、DD-WRTファームウェアを適用することが可能になります。
1. シリアルコンソール接続するために、WZR-HP-AG300Hを殻割りする。
(1) 側面のLEDランプがあるところはシールになっています。これを剥がします。
(2) 背面の黒いゴム足はその下がネジになっています。4カ所のそれを外します。
(3) あとは、上面3カ所、下面4カ所のツメで止まっています。これをマイナスドライバーでこじ開けます。
(4) 基盤にアンテナがつながっているので、セロテープをはずし、コネクタを外します。
(5) これで基盤を取り外すことができます。
2. シリアルコンソール用のピンを立てる。
写真の箇所が、シリアルコンソールのパターンになります。
左から、RxD, TxD, GND, VCC となっています。
ここに、ピンをハンダ付けしましょう。
3. TTLのシリアル接続ができるケーブルを調達します。
私は、秋月電機の、FT232RLを使いました。
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-01977/
4. FT232RLのWindows 用のドライバをインストールします。
FTDIのサイトから、Driver -> VCP Driver とたどり、OSにあったものを導入します。
http://www.ftdichip.com/
ドライバを導入してからFT232RLを接続すると、新たにCOMポートが追加されます。
5. シリアルコンソール用のターミナルとしてTeraterm を導入する。
ターミナルはTeratermがおすすめです。
インストールします。
http://sourceforge.jp/projects/ttssh2/
6. FT232RL と、WZR-HP-AG300Hを以下のように接続します。
私はIC用クリップのついたケーブルで接続しました。
(FT232RL)GND GND(WZR-HP-AG300H)
(FT232RL)RxD TxD(WZR-HP-AG300H)
(FT232RL)TxD RxD(WZR-HP-AG300H)
7. Teraterm を立ち上げ、コンソールの準備をします。
接続時に、Serial を選び、4で追加されたCOMポートを指定して接続します。
ちなみに、私の場合はCOM4でした。
TeratermのメニューからSetup -> Serial Portと たどり、通信速度、パリティなどを以下のように設定します。
Port: COM4(FT232RLをつないで追加されたポート)
Baud rate: 115200
Data: 8bit
Parity: none
Stop: 1bit
Flow control: none
8. そのままの状態で、WZR-HP-AG300Hの電源を入れます。
ショートに注意してください。
9. Teraterm上にu-bootのメッセージが流れます。
下のように、tftpのメッセージが出たら、CtrlとCを同時に押してブートを中断します。
tftp server(receive) go, waiting:4[sec]
eth0 link down
Load address: 0x84000000
ブートの中断に成功すると、以下のようなプロンプトが出ます。
ar7100>
10. リージョンを書き換える。
以下の2つのコマンドでリージョンを書き換えます。
ar7100> setenv region US
ar7100> saveenv
printenv でリージョンが書きかわっていることを確認します。
ar7100> printenv
以下の1行が出ていればOKです。
〜〜〜〜
region=US
〜〜〜〜
11. ブートして、管理画面からDD-WRTのファームをアップロード
以下のコマンドを打つと、ルーターがブートします。
ar7100> boot
ルーターのIPアドレスをブラウザに打ち込んで、管理画面を表示して、
ファームウェアのアップロードを行います。
DD-WRT版ファームは以下からDLします。
http://www.buffalotech.com/support/downloads/airstation-high-power-n600-gigabit-dual-band-wireless-router-wzr-hp-ag300h/
12. ファームが無事書きかわったら、PCとルーターを有線でつないで、DHCPでアドレスを取り直し、
http://192.168.11.1/
にアクセスすれば、adminのパスワード設定画面になり、晴れてDD-WRT版のファームウェアを
使えます。
おつかれさまでした。